何でも質問箱

2025年06月20日号
審査部審査番号号

ウラン濃縮とは?

天然ウランの中に含まれる同位体の割合を調整する技術であり、特にウラン235の割合を増やすプロセスのことです。

天然ウランには約99.3%のウラン238と約0.7%のウラン235が含まれており、ウラン235は核分裂を起こす能力があるため原子力発電や核兵器として利用されています。濃縮の方法としては遠心分離法、ガス拡散法などが一般的であり、これらの技術を用いてウラン235の濃度を上昇させます。低濃度ウランは原子力発電所の燃料として利用されることが多く通常はウラン235の割合が35%程度に濃縮されています。一方、高濃度ウランは核兵器の製造に使用され、その濃度は90%以上になることがあります。

この技術はエネルギー供給や防衛において重要な役割を果たしますが、一方で核兵器の拡散リスクや放射性廃棄物の管理問題も含むため国際的な規制や取り組みが強く求められています。また、ウラン濃縮に用いられる設備や技術は非常に高度であり、経済的なコストも大きいことから多くの国々が共同研究や国際協力を行って、平和的な利用に向けた取り組みを進めています。この技術は科学、技術、政治、安全保障など多方面にわたる影響を及ぼすため、その重要性は非常に高いといえます。

資料請求
店舗案内
セミナー情報

カスタマーセンター
0120-310-273
受付時間:月~金 8:30~17:00/土・日・祝日を除きます